天美あきらIN痴漢21人隊(仮面ライダー響鬼)
『次は三郷~、お出口は~左手に変わります』
武蔵野線西船橋行き、緑のラインの快速電車は益々混み合って既に密集状態である。
その電車の五両目に出勤サラリーマンに押し潰されるように三人の私服の高校生が乗り合わせていた。
一人はショートカットに童顔の少女。カーキ色のTシャツに紺色のベスト、グレーのズボンという色気付く年頃の女の子に不釣り合いなお洒落に無頓着な服装である。
しかし力のあるパッチリとした目元、柔らかな口元、凛とした表情からは気持ちの強さと気高い美しさが隠しようもなく滲み出ている。
小柄な少女は申し訳なさそうにキュッと唇を噛んだ。
「ごめんなさい。あたしが時間帯をちゃんと考えなかったから」
「い、いや天美さんのせいじゃないって、これも修行の内ってかさぁ…」
連れの少年、明日夢が慌ててフォローを入れる。
「まぁ、スケジュールもまともに作れないようじゃ君はやっぱり鬼には向かないな。やっぱり俺が早く鬼にならなくちゃな」
もう一人の連れ京介が愚痴る。
少女はくやしそうに目を伏せる。
彼女…天美あきらは古来から魔化魍と呼ばれる魔物と戦う猛士という組織の一員であり、威吹鬼という鬼の愛弟子である。
鬼とは人々を魔化魍から守る為に身体を変化(へんげ)して戦う戦士の事。
あきらはその見習いである。
自分自身見習いの身でありながらひょんな事から明日夢と京介を弟子にする事になってしまい、今日は猛士の支部のある葛西へ修行に連れて行く為に三人とも高校を欠席して電車に乗り込んでいた。
明日夢と京介は猛士の使うディスクアニマルについて議論を始め、あきらは京介の悪態から逃れ、ホッと息をついた。
彼女自身、鬼の弟子としての身の振り方に自分の想いを巡らせていた。
二人の無茶な弟子入りを許したのもある想いがあっての事だった。
そうこうしている内に三郷駅に着くと無理に入ってくる乗客に押されるように営業マン風の男達が明日夢達との間に割り込み、あきらは肩で押し流されるように否応なく二人と引き離されてしまった。
バシュっとドアが閉まった瞬間、あきらはドキッと肩を小さく震わせた。
思わず目線を斜め後ろに落とす。
何者かの手があきらの小ぶりなお尻を這うように愛撫していた。
『ち、痴漢?!』
普段電車を利用する事の無い彼女にとって始めての経験だった。
それも手の甲などでは無く、両手の掌で押し包み、弾力を確かめるようにゆっくりと、だが大胆に撫で上げていく。
数瞬判明を躊躇う内、男の手はあきらの尻を絞るように揉みしだく。反射的に手を後ろに回し男の手をツネった。
だが、その瞬間別の男の手があきらの手を掴みグイッと引き離す。驚いて男を見ると、さっきあきらを明日夢達から引き離した営業マン風の男であった。
男はあきらの目線をまともに受けてもたじろぐ事も無くニヤリと笑うと、掴んだ手を自分の股間へと当てがう。
「~?!」動揺したあきらは反射的にブツを軽く握ってしまう。初めて触れる硬直した悪意ある感触にギョッとする。束にしたミミズを握ってしまったような感覚に鳥肌がたった。
男はそうなる事を予測していたのか面白そうに目を細める。
いつの間にか複数の怪しげな男達があきらを囲み他の乗客から完全に遮断していた。
初めて身の危険を察知したあきらは男の手を振り払い、泳ぐような目で明日夢達を探した。
『明日夢君!』声を上げようとした瞬間手で口を塞がれ、両脇から腕を掴みまれ男達の術中に堕ちていった。
「だからさぁ、ディスクアニマルの役割ってのも猛士的にはさ…」
明日夢と京介は話に夢中になり、まったく異変に気付いていない。
男達の仲間は20人前後はいるようであり、他の乗客から全く遮断されたスポットを造りあげている。
尻を撫で回す手はズボン越しに指でパンティラインをなぞりつつ、もう一方の手で尻の割れ目へと掌を滑らせた。
「ふっ、んぐんっ!」口を抑えられたあきらの悲鳴は電車の振動音で殆ど周りに届かない。男達はあきらの脅える目を覗き込み下劣な笑みを溢す。
童顔とは対照的に盛り上った胸のふくらみに男達の視線が集中する。
邪魔なベストを捲ると歳に不相応に発育した盛り上がりに男達はゴクリとつばを飲んだ。飲んだ。見知らぬ男達の視線が女の急所である胸を這い回る感覚と恐怖にあきらは目を剥く。呼吸が乱れ、額に汗が滲み、胸のふくらみが大きく何度も膨縮する。(ハァ…ハァッ)
男の手が胸を軽く撫で上げる。切那電気に触れたようにあきらの身体がビクンッ!と跳ね上がる。
。それを見た男達の何本もの手が子供の頭を撫でるようにあきらの胸をヨシヨシと擦り撫でる。
ビクンッビクンッ…男達の手の動きに面白いように反応してしまうあきら。
男達はたかるように二つ盛り上がりをまさぐり、Tシャツがクシャクシャと音をたてる。
明日夢と京介も、まだ誰も異変に気付いていない。
二十人前後の仲間達が明日夢や他の乗客との間に二重の壁を作り、完全にあきらを視界から遮っていた。
「ぁッ…ムグゥ!…ンッ!ンンッ」
今、あきらのズボンの中には何本もの男の腕が無理矢理突っ込まれ、まだ男を知らないあきらの秘部を奪い合うように貪っている。
脚は内股にX字によれ、膝はガクッガクッと震え、今にも崩れ堕ちそうである。
前から3人の男達の手が4本、後ろから2人の男が2本、ズボンがはち切れそうに盛り上がり、その股間部分が妖しく動めいている。
「むうぅ!キィィ~~!」手も口も封じられ、涙目のあきらは無駄と知りながら小さく首をイヤイヤする事しか出来ない。
若い七三分けのリーマン風の男がカーキ色のTシャツを脅やかすように焦らしながら捲っていく。
僅かに腹筋の浮き出した白いお腹とちんまりとしたオヘソが晒された。
リーマン風七三男はその敏感なヘソを擽り、押し広げ、指を突っ込み出し入れする。
柔らかな胸の膨らみは後ろからムンズと鷲掴みにされブルブルと振動を与えられる。
どんなに必死にもがいても男達のを振り払う事はできない。
男の荒い息を浴びる度に自分が女である事を思い知らされる。
ブラジャーは抜き取られ、Tシャツ襟首から情けなくぶら下がり、見知らぬ男の手の中で歪に螺シゴかれる胸元には硬く勃った乳首がポチッと浮き上がっている。
その間にズボンの中で男達の腕は暴れ続ける。バチッとを音たててジッパーが壊れ、全開に開いたチャックから青色の下着の生地が晒け出された
。パンティがこんもりと盛り上がり、ウネウネとダンスしているのは中で男達の手が彼女の純潔をすすっているからである。
男達の一人がポケットから小型ハサミを取り出してあきらのパンティを切り裂き壊れたジッパーからズルズルと引きずり出す。
ブワワと開いたチャックから恥毛が溢れ出した。
そして男達のハンドシェイキングに合わせてフルフルとダンスする。
「くぅんんンンッ~ー!」悔しさと恥辱に堪え切れず涙が真っ赤に染まった頬を流れ落ちる。
「ンッ!ァ?ン・をンン?~!!」同時耐え切れずアクメに達しビックンッッと上体を激しく海老反らせる。
男達は満足げにニヤニヤと笑っている。
放心状態の中怒りの感覚だけが広がっていく
『人々を守る鬼を目指す身でありながら、見知らぬ男達に何度も快感に堕としめられ、抵抗すらままならないなんて…』。
あきらの脳裏に幼い頃の記憶が蘇る。
彼女の両親は魔化魍に殺された。復讐の為に鬼になる道を選び、辛く苦しい試練にも耐えてきた。
それがこのザマなのか…。
額が熱い!まるで怒りが額に宿るような、この感覚は…まさか?
「ひ、ヒィィーー何だこいつ?」
男達は恐怖に歪んだ顔であきらの手を離した。
弱々しいと思ってた少女の額に一瞬怒りに満ちた鬼の顔が浮かび上がるのが見えたからだ。
あきらは男達には目もくれず着衣の乱れを直した。
殆ど同時に電車は西船駅に到着し男達は蜘蛛の子を散らすように逃げ去った。
やっと異変に気付いた明日夢達が放心状態のあきらの元へ駆け寄る。
「天美さん、な、何があったんですか?」
「さっきの奴らか?!畜生!!」
京介が痴漢師達の後を猛ダッシュで追いかけていった。
「天美さん、あ、あきらちゃん?」
明日夢の呼びかけがまるで遥か遠くに聞こえた。
“鬼を目指す者は鬼であってはならない”
それが猛士の信念であり教えである。
しかし、彼女は自分の中に鬼を目覚めさせてしまった。
もう、人を守る為の鬼になる事は出来ないかもしれない。
あきらはこの時心を決めていた。
夢であった鬼への道を退く事を…。