智ちゃん先生痴漢電車
「あれ?あそこにいるの。生徒指導の智ちゃんじゃん。」
8時12分発の快速電車を待つホームにあたしの嫌いな女がいた。
時間ぎりぎりじゃなくて余裕を持って登校しろとか、遅刻したあたしに言うくせに、自分だってぎりぎりの時あるじゃんと思った。
膝下まであるピンクの車ひだスカートなんか着て、なりたて地方出身女子大生という感じだけど、れっきとしたあたしたちの学校の教師、島津智子。
なりたて地方出身高校教師。
そして、その後ろにはいかにも痴漢という感じの男が2人。
おとなしそうな智ちゃんに狙いをつけたみたい。
これは見なくちゃ。あたしもその列に並んだ。
電車が来て、痴漢たちが智ちゃんを取り囲むように押し込んだ。
あたしも近くで見たかったけどうまくいかなくて、間に人が3人くらいはさんで、智ちゃんの左斜め前の位置。
智ちゃんも私に気づいたけど、あたしは無視して横を向いた。
痴漢が始まったみたい。下を向いてる。
智ちゃんはこういうとき声が出せないタイプ。出したとしてもきっと小さい声。
生徒指導なのに?って思うかもしれないけど、声が小さいのとか直すために、わざと生徒指導にされたとかいう説だよ。
だいぶされてるみたいだけどぜんぜん見えなくて、近くに寄りたいなと思ってたら、次の駅で人が動いたときに、智ちゃんのほうからこっちに来てくれたよ。
痴漢から逃げるつもりだったみたいだけど、当然痴漢もついてきた。
この駅でも結構乗ってきて、智ちゃんの尻にあたしの右手の甲が密着してる。弾力ある。見た目より尻でかいね、こいつ。
クラスの男子が言ってたな。智子むかつくって。
自分じゃ何もできないくせに、生徒指導部長とか教頭とかバックにしてえらそうなこと言うって。
けつさわりてぇって、いってたよね。
あたしが代わりに触ってるよ。
智ちゃんが振り向いて、あたしの隣のリーマンを見た。
そいつが触ってると思ったみたい。そりゃそうだよね。
その後も痴漢は前から横からスカートの中を攻め続けて、ストッキングごとパンツが脱がされて、智ちゃんはあきらめたのかおとなしくなっていた。
足とか閉じれなくされてるし、もう何でもありの感じ。
どんな気持ち?智ちゃん。
あたしが後ろにいるの知ってるよね。
ああ、男子にこの話するの楽しみ。
でも、写メとかとりたいけど無理だし、少し弱いかな。
ここは男子のために、智ちゃんのあそこをかき回してあげなきゃ。
けど、指直接入れるのは汚いし、何かないかな
かばんから出すのも混んでて無理。あ、そういえばポケットに。
智ちゃんのスカートは周りから捲り上げられて、中に手が入ってる。
ふーん。ウエストのとこにスカートを挟むようにするんだ。
せっかくあそこにプレゼントしようとしたのに、指でいっぱいみたい。
不思議な空間だよね、満員電車って。
世界で一番平和な日本で、高校教師が下半身はだかにされて、しらない男たちにいぢられてるんだから。
でも、これじゃポケットから取り出したリップスティックは出番なしかぁ、と思ってたら、智ちゃんの真横にいた痴漢にとられた。
なにするのっていう時間もなく、痴漢はそれを智ちゃんに使い始めたんだよね。
その証拠に急に逃げるように腰を動かしてんの。
敏感なとこにすーすーするもの塗られちゃったのかな。
ひどいことするよね、痴漢って。
でも、痴漢に囲まれて腰振ってるなんて淫乱教師ちゃんだね。
この時、あたしのスカートの後ろが、急に上がっていく感じがしたんだよね。
気のせいじゃなくて、すぐにパンツの上から触られてた。
普段だったら絶対怒鳴りつけるのに、この状況ではできないじゃん。
結局、Tバックみたいに食い込まされて、降りるまで生で尻触られた。
ちきしょう、智子のせいで私まで痴漢された。
電車降りたら、智ちゃんがとぼとぼ歩いてる。
スカートは染みはついてないみたいだけど、かなりしわくちゃ。
痴漢されてましたって、張り紙して歩いてるみたいなもんだね。
みんなに報告するんで、携帯で後姿を撮影。
なんだか歩くの遅い。とろいやつだ。
あれれ、まっすぐ改札に行かずに、トイレに行こうとするよ。
メンソールをふくんだね。
「せんせい」
後ろから呼び止める。
顔が真っ青だ。
そうだよね、ずっと痴漢されてればね。
あたしは1分痴漢されただけでもう怒り状態なのに、こいつはずっとだったわけで。
「先生、助けて。」
ああ、しらじらしい。
あたしは、自分がさっきの電車で痴漢にあって、降りた後もつけられている気がするんで、学校まで一緒に言ってほしいって泣きながら、もちろん嘘泣きだけど、頼んだよ。
智ちゃんは一瞬困ったような顔をしたけど、「もう、だいじょうぶよ」とか教師っぽいこと言って、学校までいっしょにいくことになった。
生徒に頼られてうれしいのかよ、ばかな女。
歩きながら、そのときの様子を話した。
痴漢たちに先生の姿が見えないところまで引き離されてそこで痴漢されたんです、なんて言っておいた。
そしたら、ちょっと表情が明るくなってやんの。
つまり、先生のはずかしいことは見てませんてことだからね。
それで、ほっとしたってことか、あーあ、やなやつ。
学校に着いたのは8時半、朝の職員会議の始まる時間。
「先生、時間、時間。先生が遅刻なんてしていいの?」
かわいく言ってやった。ほら行けよ、痴漢に塗ってもらったものつけたまま。
智ちゃんはとぼとぼと階段を上っていった。
おかしいな。いつもだったら、ペンギンみたくパタパタ走ってくのに。
さては、スティックをあそこに入れられたまま、パンツはかされたとか。
まさか、でも、そう考えると、あの歩き方も説明つくし。
ま、それは、神のみぞ知るだけどね。
さーて、まず、だれに話そうかなぁ。